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絵本で⼦育て

  • 絵本の大切さ
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  • 16か⽉~

絵本の大切さ

絵本が育む人との絆

一冊一冊がていねいに作られている絵本。赤ちゃんは親が語りかけてくれる声がうっとりと心地よく、同じ世界を共有する一体感が生じ、親子の絆を深めていきます。

赤ちゃんが目を合わせるようになる四か月ごろになると、読み聞かせをする中で、親子は互いの表情を読み取り、息を合わせ、コミュニケーションの楽しさを体感します。それはAI(人工知能を用いたロボット)ではできないことです。まさに人と人がつながることで、そこに楽しい世界があるということを学び、その最初の一ページを開いてくれるのが絵本ではないかと思います。

そして、赤ちゃんは絵本を何度も読むうちに好きなページが出てきて、指さしをしながら「何かに気づいたよ」と伝えてくれるでしょう。赤ちゃんは自分の気持ちにぴったりあった絵本の中のことばや絵に夢中になり、うんと集中しているのです。このなにかに集中し、夢中になる時間が、“人として生きる力”である非認知能力と呼ばれる知的好奇心や自分をコントロールする力を育てます。ぜひ、赤ちゃんの反応に親が耳を傾けてあげ、親子で楽しんでいただきたいと思います。

またお母さんだけでなく、お父さんやおじいちゃんおばあちゃんも読み聞かせをしてあげてください。いろいろなトーンで読んであげれば、同じ一冊の絵本でもリズムや読み方が違い、何通りにも楽しめますし、声に出して読めば日本語の美しい響きや言葉のリズムの楽しさを味わうこともできます。

秋田 喜代美先生

秋田 喜代美先生 プロフィール

教育学者、心理学者。東京大学大学院教育学研究科長・教育学部長・教授。
専門は、発達心理学、教育心理学、保育学、学校教育学。NPOブックスタート理事、絵本専門士委員会委員。著書に『絵本で子育て 子どもの育ちを見つめる心理学』(岩崎書店)ほか、多数。

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