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赤ちゃんのうんち研究

「うんちの研究」と聞いて、不思議に思った方もいるかもしれません。
しかし、うんちは赤ちゃんの発育の研究において、体重や身長、精神や運動機能の発達状態、血液成分などと同じように重要な情報をもっているといえます。
なぜならうんちには、赤ちゃんに与えられた栄養や赤ちゃんの消化管の情報が最も的確に反映されていると考えられるからです。
赤ちゃんのうんちを調べることで、母乳や粉 ミルクが赤ちゃんの体にどのように取り込まれ、利用されているのかが分かり、母乳により近い粉ミルクの開発につながるのでは、と私たちは考え、研究を行いました。

うんちを調べると何が分かるの?

うんちの構成成分を調べると

  • 乳成分の消化、吸収状態
  • 消化管の状態

が分かります。

うんちの性状を観察したり、成分を調べたりすることによって、『母乳や粉ミルクが有する生理機能』や『消化管を中心とした赤ちゃんの発育状況』を把握できると考えています。

調査用おむつの開発

うんちを正しく分析するには、尿の混入がない状態のうんちを全量回収する必要があります。それが最大の課題でした。
そこで課題を解決するために、収集用の特別なおむつを作成しました。
このおむつを使ってもらうことで、赤ちゃんのうんちの調査ができるようになりました。

特徴

  • 固形分と水分の全量回収が可能
  • 尿との分別が可能
  • 重量測定が可能

観察結果

赤ちゃんのうんちの性状は栄養状態によって異なることが分かりました。
このような調査・分析で粉ミルクをより母乳に近づけるよう改良を進めています。

母乳 ミルク
排便回数 (回/日) 3.3 1.2
pH 5.7 6.2
臭い 酸臭 酸臭・大人様臭
形状 水・泥状 泥・粘土状
色 (肉眼的観察) 黄色系 黄・緑色系
色 (色彩計測) 明・赤・黄 暗・緑・青(灰)
1日あたりの排便回数

母乳栄養児と同様の性質のうんちになるよう、母乳研究の結果を粉ミルクの開発・改良に生かしています。

初期の乳児用調製粉乳(粉ミルク) では、下痢に対する懸念やエネルギー確保の必要性から、母乳に本来含まれていないショ糖や可溶性多糖類を添加していました。しかし、私たちはいち早く1970年代にショ糖や可溶性多糖類を配合しない乳児用調製粉乳を開発し、母乳の糖組成に近づけることに成功しました。
乳糖と母乳オリゴ糖のひとつであるガラクトシルラクトースを増強し、炭水化物の組成を母乳に近づけました。そのため、雪印ビーンスターク「すこやかM1」は、母乳栄養児の便に近い性質のうんちが出る、つまり栄養状態が母乳に近づくこと が期待できます。

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