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離乳食の悩みを引きずらないヒント

離乳食全般、おやつの
よくある悩み

離乳食の悩みや不安は成長と共にさまざまに変化していきます。
「毎回同じメニューになってしまう」とマンネリに悩んだり、
好きなものしか食べないことを不安に感じたり。
そんな悩めるママやパパに向けて、離乳食の悩みや不安を解決するヒントをご紹介します。うまくいってもいかなくても、
「今日は今日、明日は明日」と気持ちをひきずらず、
気負わずに進めていきましょう。

全期間共通離乳食の悩み・不安

  • 離乳食がマンネリになってしまいます。どうすればいいですか。
    離乳食がマンネリになってしまいます。どうすればいいですか。

    むしろマンネリでOKです! なぜなら離乳食には、「食べ物に慣れる」という役割があります。食べ物に慣れるには「見慣れる」ことも大切。見たり、なめたり、食べたりしながら食べ物に慣れていくからです。毎回バリエーションを持たせるよりもマンネリのほうが食べ物に慣れやすいと考えましょう。

  • 離乳食を作るのが大変です。ベビーフードに頼っていいですか。

    もちろんOKです。ベビーフードは赤ちゃんの栄養や成長について研究して作られているもの。栄養バランスや食べやすさなどが考えられています。「ベビーフードに頼ったらわが子への愛情がない」なんてこともありませんよ。必要に応じて上手に利用してください。

  • SNSで紹介されている離乳食と自分の作った離乳食を比べてしまいます。華やかな離乳食のご家庭のお子さんは、わが子よりもたくさん食べているように見えて、さらに落ち込んでしまいます。

    SNSで紹介されている食事と普段の食事は別物と考えましょう。きれいな食事は写真を撮ってSNSに載せたくなるけれど、普段の食事はおいしくてもわざわざそうはしないですよね。なぜなら、SNSに載せる食事とそうでない食事は違うから。どちらもあっていいんです。比べる必要はないですし、彩りや食材の使い方を参考にするだけにしてみてはいかがでしょうか。赤ちゃんはどちらも楽しんで食べてくれるはずですよ。自信を持っていきましょう。

  • 離乳食のうちに試すべきとされている食材は、すべて食べさせておかないとダメですか。「最低限このくらいやればOK」というような目安や考え方があれば教えてください。

    離乳食で試すべきとされている食材には、食物アレルギーのリスクがあるものと誤嚥(ごえん)のリスクがあるものが含まれています。そのため、できればすべてを試すのが望ましいです。けれども、例えば小松菜とほうれん草のように似ている食材があれば、アクの強いほうれん草を試してみて、問題なければ小松菜もOKとしてもよいでしょう。また、大人の献立に試す食材を盛り込んで、食べやすい形態にして取り分ければ簡単です。工夫して進めていきましょう。

  • ベビーフードで新しい食材を試してもいいですか。

    問題ありません。ベビーフードは、一商品にさまざまな食材が少しずつ入っていて、食べたことのない食材を試すのにも向いていると思います。ぜひ上手に活用してください。

  • 好き嫌いが激しいです。好き嫌いがあっても最低限これだけは食べさせたほうがよいという基準はありますか?
    好き嫌いが激しいです。好き嫌いがあっても最低限これだけは食べさせたほうがよいという基準はありますか?

    野菜、魚、肉など、子どもに好き嫌いがあって大変と感じるママやパパはたくさんいます。むしろ、ほとんどのママやパパがそう感じていると思ってもよいくらいです。大人からすると、好き嫌いなく食べてほしいと思うものですが、好き嫌いの自己主張があるほうが、心も発達していると思ってよいでしょう。様々な食品に慣れていく時期ですから、根気よく見せ続けていけば、好きなものも増えていくでしょう。長い目で見てあげてください。

  • 子どもの体調が悪い時、離乳食はどうすればいいですか。

    体調が悪い時には無理せず、授乳だけにしたり、消化の良いおかゆでようすを見て、回復したら子どもの食欲に合わせて食物繊維の少ない野菜や果物、脂肪の少ないたんぱく質源の食品を徐々に増やしていきましょう。離乳食を始めたばかりだと「食べさせなきゃ」という気持ちが強くなってしまうかもしれませんが無理をせず、ゆっくり長い目で進めていきましょう。

  • 離乳食の食べ過ぎに困っています。食べ過ぎを防ぐ方法はありますか。

    1歳前後は、満腹感を自分で判断するのが難しいので、食べ過ぎてしまうことが多々あります。たくさん食べ過ぎると消化不良を起こすこともあるので大人がある程度でストップしましょう。「もうお腹がいっぱいだね」「ごちそうさましたほうがいいかも」などとやさしく声掛けをして、赤ちゃんにこれが満腹であることを教えていきます。また、食材を少し硬めに調理するのも食べ過ぎを防ぐこともできます。あるいは、最初は少量の盛り付けで、おかわりしても適量になるようにして、満足する気持ちも大切にしてあげましょう。

乳幼児のおやつ(補食)の悩み・不安

  • おやつはいつから、どのくらいの量が必要ですか。

    3回の食事からエネルギーや栄養素が大体とれるようになる離乳完了後からおやつの時間を取り入れます。子どもは一度にたくさんの量を食べられないうえ、好き嫌いや食べムラがあるので、3回の食事だけで十分な栄養を摂取することは難しいものです。おやつの時間は、栄養摂取だけでなく、気持ちをリラックスさせたり、食べる楽しさを教える機会にもなります。おやつ(補食)は子どもにとって、第4の食事といわれるほど重要です。目安は、1日に1~2回と時間を決めます。量は、食事の1/3~1/2程度にします。例えば寝てしまって食事をほとんどとれないときは、補食を多めにするなどして、次の食事に影響しない量とします。 また、おやつは水分を補給する良いタイミングです。固形物と飲み物とを組み合わせて、適切な量や組み合わせなどを子どもに根気よく教えていきます。

  • 乳幼児におすすめのおやつを教えてください。
    乳幼児におすすめのおやつを教えてください。

    不足しがちなカルシウムを補う乳製品を使ったおやつや、ビタミンが補給できる果物、食物繊維がとれる さつまいもなどはおすすめです。


    ただ、栄養価の高いものを食べることだけがおやつの役割ではありません。例えばグミのような、通常の食事にはない、新たな食感を経験することも大切です。心の潤いになりますし、食べる楽しみも生まれてくるはずです。そうすると、手を洗ったり、お皿を準備してもらったりといった食育も自然に身に付きます。おやつの時間を上手に利用して、家族や友達 とのふれあいの時間にしましょう。


  • ベビー用のおやつはいつまであげていいですか。

    「ベビー用」と書かれていますが、何歳でも大丈夫です。ベビー用のおやつは薄味ですし、濃い味に慣れさせるのを避けたい場合にも有効です。塩分が気になる大人にもおすすめです。

国立総合児童センター「こどもの城」小児保健クリニックを経て、現在は大学などの非常勤講師、指導者や保護者向けの講習会講師、NHK子育て番組出演や育児雑誌などの監修を務める。東京都小児保健協会理事、日本食育学会代議員。 国立総合児童センター「こどもの城」小児保健クリニックを経て、現在は大学などの非常勤講師、指導者や保護者向けの講習会講師、NHK子育て番組出演や育児雑誌などの監修を務める。東京都小児保健協会理事、日本食育学会代議員。

参考資料
●「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」厚生労働省
●山本隆:「口腔の生理からどうしてを解く」デンタルダイヤモンド社,2007

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