離乳中期
(7~8か月頃)
生後7~8か月頃は「離乳中期」にあたる時期。この時期のお子さんは乳歯が生え始め、舌と上あごで食べ物をつぶせるようになっていきます。1日2回食になって食事のリズムがついたり、いろいろな味や舌ざわりを楽しめるようになるので食品の種類を増やしたりすることも多いでしょう。一方で、ママやパパの悩みは多様です。
そんな離乳食の悩みや不安を解決するヒントを、乳幼児の栄養指導に長年たずさわっている管理栄養士の太田百合子先生に伺いました。
離乳中期(7~8か月頃)離乳食の悩み・不安
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おかゆのかたさ を変えたら、飲み込まず出してしまうようになりました。何度かトライしてみるのですが大泣きしてしまいます。どうしたらよいでしょう。
好みの かたさではないと言っているようにも思います。以前の かたさに戻してみてもよいでしょう。あるいは、すりつぶしてみたり、水分量を増やしてみたり、他の食材と混ぜ合わせてみたりしてみます。おかゆにこだわらずにパンがゆ、そうめんがゆ等を試してもよいでしょう。
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食事に集中してくれません。
赤ちゃんの集中力は短いものです。例えば5分程度でも集中して食べている時間があるなら、それでよしとしましょう。離乳食には、「食材に慣れる」という役割もあります。少しでも食べる姿勢が見えていれば残したとしても無理強いはしません。食べさせる姿勢が落ち着かない、最初からお腹が空いていない、玩具などが見えるところに出ている等、食事環境の確認もしてみましょう。
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食べるのに時間がかかったり、途中で遊び出したりするのでイライラしてしまいます。どれくらいの時間待てばよいでしょうか。
肉や魚などを食べ始めると繊維質が かたいので飲み込むまでに時間がかかります。一生懸命食べているようなら時間がかかっても付き合ったり、 やわらかいものと組み合わせたり飲み込みやすいようにとろみをつけて工夫してもよいかもしれません。途中で遊び出したら「おいしいから食べてみよう」などと食べることに集中できるように声をかけてみましょう。それでも遊び始めたらメリハリが大切なので「おなかがいっぱいだね」とごちそうさまをして切り上げても構いません。いずれも食後の授乳でお腹を満たしてあげましょう。「たまにはそういう日もある」と、気持ちを切り替えることも大切です。
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イスに座らず、大人のひざの上に座った状態でしか離乳食を食べません。このまま続けてもよいのでしょうか。
おひざの上が安心できるのでしょう。姿勢がよい状態なら、そのままでよいと思います。お子さん用に用意しているイスの高さを確認してみましょう。テーブルの高さがお子さんの胸からへその位置にあり、 足底が床や足台につくように調整できれば、イスに座るようになるかもしれません。
足台やクッション、タオルなどで姿勢が保てるようにしてみましょう。
ずっと誰かのひざの上でしか食事をしない人はいません。そのうちいつかは自然とイスに座って食べるようになると思います。 -
3回食を始めるタイミングを教えてください。
3回食を始める目安は生後9か月頃です 。この時期は手指の発達に加えて、かむ力も発達してきます。豆腐くらいの かたさのものをモグモグして飲み込めたり、椅子にある程度座れるようになれば、3回食に移行してもよいでしょう。3回食になってもすべての栄養が食事で補えるわけではありません。母乳やミルクは欲しがるだけあげて構いません。
3回食に、慣れるまでの1~2週間は親子ともに大変ですが、そこを過ぎたらあとは少しずつラクになっていくはずです。頑張って乗り越えましょう!
参考資料
●「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」厚生労働省
●山本隆:「口腔の生理からどうしてを解く」デンタルダイヤモンド社,2007