離乳後期
(9~11か月頃)
生後9~11か月頃は「離乳後期」にあたる時期。食べ物を歯ぐきでつぶせるようになり、バナナくらいの かたさのものも食べられるようになります。1日3回食に進むため、食事のリズムが一層大切になってくるでしょう。しかし、手づかみ食べなどの新しい試みが始まるのを不安に感じることもあるのでは。
そんな離乳食の悩みや不安を解決するヒントを、乳幼児の栄養指導に長年たずさわっている管理栄養士の太田百合子先生に伺いました。
離乳後期(9~11か月頃)離乳食の悩み・不安
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手づかみ食べがつらいです。手でぐちゃぐちゃにして投げたり、大人や自分になすりつけたりします。こんなときはどうすればいいですか。
食べ物で遊んでいる様子を見ると、悲しい気持ちになるし、やめてほしいと思うかもしれません。でもお子さんの様子を観察してみると、一生懸命に触れて、意欲的に食べ物を確かめようとしていることがわかります。自分で食べていくための重要なステップです。ただ遊んでいるだけになってしまったら、やさしく止めて、お皿を下げてしまいましょう。「食べ物では遊ばないよ。困るなぁ。」と言ってもよいでしょう。これを繰り返していると、子どもはだんだん食べ物で遊ばなくなります。こぼすことはしかたがない時期ですから、床にシートを敷くなど、簡単に掃除ができるように工夫をしましょう。
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子どもが、手が汚れるのを嫌がって手づかみ食べをしようとしません。それでも手づかみで食べさせたほうがいいですか。
手が汚れにくい赤ちゃんせんべいやトーストパンをお皿に置いてみましょう。そして、大人が見本を示してみましょう。食べ物を手でつまんで口に持っていき、一口食べるという見本を示すと、お子さんもやる気が出てくるかもしれません。あるいは手づかみ食べにこだわらず、きゅうり等の食材を、ふれさせることから始めても興味を持たせることもできます。
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やわらかいものしか食べようとしません。どうしたらいいですか。
やわらかいものしか食べられないとしても、モグモグしながら一生懸命食べているようならそのお子さんの適するかたさ といえます。急にかたいものは食べられないので、豆腐の かたさ、バナナの かたさなどと根気よくステップアップをしていきます。パサパサしていると食べにくいものはとろみをつけます。焦らず見守りましょう。
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完了期に移るタイミングを教えてください。
1日3回の離乳食に慣れて、ほぼ同じ時間に食べるリズムがついていること、口をモグモグさせて食べるようになっていること、コップが使えるようになっていること、食べ物に手を伸ばすようになっていれば次のステップに移行していきましょう。
参考資料
●「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」厚生労働省
●山本隆:「口腔の生理からどうしてを解く」デンタルダイヤモンド社,2007